成功事例

成功事例

奥村浩一氏
年商900万の会社が中小企業新事業活動促進法の承認から3000万円の制度融資が実現
これをきっかけに24ヶ月連続で前月売上アップを達成
代表取締役 奥村浩一(1967年4月23日生)

2005年まで神奈川県の久里浜「BON美容室」で8年間経営を行う。同年、中小企業新事業活動促進法を承認。3000万円の制度融資を得て、美容室の激戦区、横浜の上大岡に出店。 24ヶ月連続で前月売上アップを実現。雑誌、ホットペッパーに「上大岡で集客力のある美容室」としても取り上げられ、2009年3月には「美容と経営」という美容業界で一番著名な雑誌に、2ページの特集記事が組まれた。
有限会社リンク(http://www.office09.biz)

奥村さん、こんにちは。今日はよろしくお願いします。
さて、今回は中小企業新事業活動促進法(以下、促進法)を活用した当社の成功事例を一般公開しようと思いました。どなたが第一号としてふさわしいか私なりに真剣に悩んだのでしたが、やっぱり奥村さんしかいないと思い依頼しました。
私でいいんですか(笑)
もちろん、もちろん。実は、奥村さんの会社は僕が支援した会社の中で一番規模の小さな会社さんなんですよ(笑)。小さいながら、実に見事に促進法を活用され、制度融資の実行から業績向上に結びつけた。このサイトに来た人が「成功事例」の一発目で読むには、すごい参考になるんじゃないか、と思いまして依頼しました。
ありがとうございます。
早速ですが、奥村さんの会社概要を教えて欲しいのですが。
有限会社リンク、資本金は500万円、従業員は現在4名で美容室をやっています。あと店舗でネイルやエステができるパートナーが2名います。
奥村さんが僕と出会ったときの会社の状況を教えていただけますか?
2005年当時は、神奈川の久里浜というところで「BON美容室」を8年間経営していました。当時は実質一人で経営をし、年商は900万円で前期が赤字、しかも累積赤字がある状態でした。
なるほど。その時に奥村さんが抱えていた経営課題は何だったのでしょうか?
奥村浩一氏
まず、新規客が呼べていない。ですから当然、売上はあがらない。
それと、僕は色々とアイデアがあったのですが「お金がなく」具体化できずに悶々としていました。
カットとパーマだけを行う美容室で、とにかく数を何とかこなそうと日々もがいていました。
その現状打開するために、どんなことをしようと思っていたのですか?
自分で言うのもなんですが、技術には自信がありました。コンテストでの入賞経験もありましたしね。集客力のあるところで勝負をしたいと思っていました。場所ですと、今店舗を構えている上大岡は魅力でした。ところが、当然出店にはお金がかかります。銀行さんにお願いしましたが、答えは「NO」。
当時の売上規模はまだ小さいですし、累積赤字もありましたから(笑)
そうでしたか。そこで、奥村さんはどんな行動をとられたのですか?
奥村浩一氏
正直、僕のような小さな会社ですと銀行さんに相手にしてもらえませんでした。それにそもそもお金の借り方がわからなかったんですね。そこでお金の借り方セミナーみたいなのがないかなーと思って、インターネットで検索していました。そんなとき、加藤さんが群馬で促進法を活用して制度融資や助成金活用に関するセミナーを開催している情報をキャッチして、行くことにきめました。
とにかく、切羽詰まっていていまして。当時は本当に行動を起こしたかったんですよ。
本当に群馬までありがとうございました(笑)。確か火曜日に開催しているセミナーが当時、群馬しかなかったんですよね。神奈川からありがとうございました。その時、セミナーを聞いていかがでしたか?
確かに、促進法が活用できたら条件の良い制度融資が受けられるし、助成金へのステップアップができると思いました。ただ、当時のうちの会社で促進法が使えるかというのが、最初不安な点でした。
促進法をやろうと決めたのは、その場で決めたのですか?
奥村浩一氏
とにかくチャレンジしたいという思いは、すごく強くなりました。後、こんなことを言ったら失礼なのですが、とにかくお金が借りられればいいという人達が会場には多かったですね(笑)。僕はこの人達とは違うとそのとき思いました。
僕にはアイデアがあった。
 「簡単には促進法の承認企業にはなれない」というなら絶対に承認企業になってやろうと思いました。
それで、当時僕の会社に依頼された訳ですが、僕の会社に依頼されようと思った決め手はなんでしたか?
セミナーを聞いていると、一般的な事業計画書の書き方ではダメということ。それと県や市に対してしっかりとした面接対応ができないとダメ等、ここは餅は餅屋に任せようと思いました。
それと、セミナーで加藤さんがすごい正直に答えていた姿で、「この人なら信用できるかも」と思って依頼しました。
良く覚えていないですね(苦笑)。どんな出来事がありました?
確か、見るからに資金繰りが苦しそうで、とにかく借りられればそれでいいんだ!見たいな人が質問した時に「促進法をとっても、今のお話を伺っている限り、制度融資は活用できませんね。促進法の承認を自分でやるのは別ですが、弊社に頼んだ場合、お金が掛かりますので、辞めたほうがいいです」と言っていました。
それを聞いたときに、この人は信用できそうだと思いました(笑)。
ありがとうございます(苦笑)。僕のポリシーは、借りたお金をしっかり返すという気持ちを持っていない会社への支援はしません。逆に言えば、どんな規模でも、社長にやりたいことがあって、そのためにはお金を借りてでも、それを実現するために最後の最後まで踏ん張る、借りたお金をしっかり返す!という人であれば僕はトコトン支援します。
私も今、しっかり返しています(笑)
では、実際に促進法承認に向けての作業に入っていくわけですが、どんな感じで進みましたか?
まず、いくつか私の方でビジネスアイデアを持っていたので、それを加藤さんと協議しました。このときに促進法の承認テーマ設定の仕方がいかに重要なのかわかりました。いかに促進法の趣旨にあったものにするか、今考えると、自分が考えたアイデアをそのまま持って言ったら、承認されなかったと思います。 もし、承認されなかったら・・・。そう考えるだけでも「ゾッ」としますね。
促進法を作っているときのエピソードのようなものがありましたら、教えてください。
奥村浩一氏
加藤さんのところは、ビジネスアイデアを話し、それに必要なデータを送付すると促進法の申請書や事業計画書(制度融資活用可能金額の算定を含む)を作ってもらえるのですが、このときに色々とやりとりをします。このときに本格的に経営に関する勉強をたくさんしたと思います。
この事業で、地域で一番、業界で一番になるための戦略をどう構築するか?
サービス内容は、他社とどう差別化し、そして簡単に参入されないようにするためにどうすればよいか?
売上利益計画の建て方、その数字の根拠、さらに制度融資実行後の返済計画との整合性など、はじめて経営者としての勉強をしたように思います。
実は、お金を借りるより、借りた後がいかに大事かということですよね。
事業計画書や申請書類は、どれくらいで出来上がりましたか?
恐らく、2週間も掛からず出来たと思います。
では、そうすると次は申請書をもって、市又は県への窓口に提出となりますが、すんなり行きましたか?
奥村浩一氏
それが、最初は撃沈しました(苦笑)。実は加藤さんから「最初はかなり冷たくあしらわれます。質問も*******(ここは機密情報なので伏せさて頂きます)というのがたくさんあります。ただ、この事業への思いを真剣に語り、引き下がらず、しっかりやってください。」と言われていました。なので、最初に担当の人から同じようなことを言われたとき、「本当にこんなふうに言われるんだ」、という思いと同時に、本当に促進法が承認されるんだろうかと不安になりました。
結果、1回目は書類は受け取ってもらえませんでしたが、2回目で無事に受理され2週間後には審査会で承認され、無事、中小企業新事業活動促進法承認企業となりました。
では、プロジェクト開始から実質1ヶ月で承認が降りたということですね。
次は、融資は順調に行きましたか?
そうですね。実は促進法の申請のときから、お取引があった信用金庫さんにアプローチしましたが、促進法のことがよくわからないと言われました。あまり、進みそうな気がしなかったので(笑)、ダメもとで近くの都銀さんに行きました。その都銀の担当者に、ビジネスへの思い、数字の根拠等しっかりプレゼンしました。そうしたら、担当の方が「促進法承認のあかつきには、3000万円をうちでやらしてください」と言われました。
そうでしたね。確か促進法の申請書に運転資金で3000万円にしてくれと奥村さんに言われましたね。 あの時僕は反対したんですよね。「年商900万の会社に3000万円の公的融資が実行できるはずがない。もしかしたら、計画自体が疑われて、1円もでないかもしれません」と言いましたね。
僕が申請書に書いたのは1500万円。それでも多いと思っていましたから(苦笑)。
奥村浩一氏
でも、その都銀の担当者が逆に「うちは1500万では動けません。最低でも3000万円です」と言ったんです。そこで加藤さんにムリを承知でお願いしたんですね。
正直、僕はきつかったなー(笑)。
万が一、借りられても、本当に返せるか?ということが不安でした。
でも、僕の中では新規事業と新店舗に関して、教わったとおりに計画書創ったところ、半年後には必ず黒字転換できると思っていました。銀行の方には、実は促進法の事業と新店舗の事業計画書を作ってプレゼンしていたんです。そうしたら、3000万円やりましょうということになりまして。
それで、本当に3000万円の融資が下りたんですものね。すごいですよ。
銀行の方には、売上アップのためのプランだけでなく、リスクを想定し、リスクヘッジするプランも伝えました。
でも、実は本当は借りるか悩んだんですよ。返せると思っても、いざ本当に借りる段階になるとやっぱり本当に返せるかって。今だから話しますが、借りると決めるまで1週間眠れない日々が続き、本当に悩みました。
そうですか。私にはそういうふうに見えませんでしたが(笑)
でも、どうやって決断に至ったのですか?
何度も何度も、事業計画書みて、本当にいけるか、そして本当にやりたいのか?
本当に自分に問いかけました。でも、出てくる答えは同じでした。
最後は、「これはいくしかないでしょ!」。そんな心境でしたね(笑)。
融資が実行されるまで、どれくらいの期間が掛かりましたか?
奥村浩一氏
銀行の方にお願いしてから約1ヶ月弱でおりました。
では、ここから今の事業についてお話を伺いたいのですが、この12月で24ヶ月連続で前月の売上を更新中とのことですが、成功の秘訣を教えてもらえますか?
今期、上大岡の店舗で売上3000万円を目標にやってきました。結果は3200万円と目標をクリアしました。
開業当初は、お客様一人当たりの単価は6500円でした。キャンペーンで来店してもらことに注力したのでこの結果でした。一般的な美容室の平均単価8000円弱を少し下回っているのが現状です。ところが現在は、11,000円まで上がってきます。
成功の秘訣は目標を掲げてそれを管理して結果を出して、さらにそれを研究するということでしょうか。
すごいですね。どんなことをされているのですか?
一つは、セットメニューですね。お得なセットメニューを打ち出したこと。これは、是非こちらのサイトで見てください(笑)。詳しくはこちらから(Hair Salon|ヘアサロン|LIN:http://www.office09.biz/hairsalon/index.html
もう一つは、物販(シャンプー等)です。一般的な美容室は、売上の2%程度が物販です。ところがうちは10%を超えています。決して押し売りでなく、「お客様のためになること」をしたら勝手に売上があがったという感じです。
ありがとうございます。他にも奥村さんのところは本当に色々なアイデアを実行して集客されていますよね。
では、最後になりますがこれから促進法の承認を目指そうとする企業の方にメッセージをお願いできますか?
奥村浩一氏
僕は、促進法をとって、融資が実現し、実際に計画で書いたこと以上の成果を出すことができました。そして、今後は助成金を活用して色々なビジネスを立ち上げていきたいと思っています。

促進法は、我々中小企業にとって、本当に使える法律です。
私からは、「とにかくやってみる!」をお勧めします。
問題はありません。とくに社会的に意義があるとおもえるものであれば、迷わずやってください。
やると決めると「使命感」が生まれます。

ただ、お金を借りるためのものではありません。やりたいことがあってそれを実現するのに図らずも資金が不足しているという状況で、万策尽きているときには救いの仕組みです。

促進法は時間がかかるかもしれません。しかし、私は時間を加藤さんのところに頼んで節約しました。具体的にしかもパワフルな計画書を作ってもらいました。申請書つくってもらっている最中は、経営顧問のように色々とアドバイスをもらうことができました。このご時勢だからこそ、「救済」という観点でなく、「新しいことにチャレンジする」という観点で促進法を活用して、成長・発展してもらえたらと思います。 促進法の承認企業の仲間としてお互いに活躍しましよう!
最後に
奥村さんの会社とのお付き合いは、促進法からはじまり今も続いています。促進法承認後は月1回訪問し、従業員の方と会議をもって色々な取り組みを行いました。
競合分析のため、実際に皆さんと上大岡周辺の美容室を回ったりしました。
お店の外壁には、スタッフの方の顔写真やコンテストでの受賞歴も載せたりと、 とにかく最小限のコストで最高のリターンが得られる工夫をたくさん行った結果、今でも業績を向上し続けているのだと思います。
ポイントは、彼は「行動を起こしたということです」。この前あるスポーツ選手がこんなことを言っていました。「奇跡は信じただけでは起きない。行動することで奇跡が起きる第一歩がはじまる」と。
皆さんの行動の後押しをして、最高の成果を出してもらうこと。それが我々の願いです。